パーキンソン病患者の在宅生活継続に向けた取り組みってなんだろう?【HY分類Ⅳ】
はじめに
パーキンソン病が進行すると、転倒のリスクが高まります。その原因は、前傾姿勢やすくみ足といった運動症状だけでなく、睡眠障害や認知機能の低下などの非運動症状も関係しています。特にHoehn & Yahr(HY)分類Ⅲ・Ⅳの患者さんでは、30%以上の方が骨折を経験するといわれています。
骨折による安静が続くと、筋力や体力が低下し、さらに転倒しやすくなる「廃用症候群」を引き起こすこともあります。そのため、転倒予防のための生活指導や住環境の整備がとても大切です。
「できるだけ住み慣れた家で過ごしたい」と考える方も多いと思います。今回は、HY分類Ⅳのパーキンソン病患者さんが自宅で安全に生活を続けるためのポイントを、分かりやすく解説していきます。

HY分類Ⅳの特徴と生活のポイント
HY分類Ⅳの患者さんは、歩行が難しくなり、介助が必要になる場面が増えてきます。 すくみ足がひどくなり、動き出しや方向転換の際に体がうまく動かないことも多くなります。そのため、転倒のリスクがさらに高まります。
1. すくみ足を軽減する工夫
すくみ足は、視覚的な目印をつけることで軽減できることがあります。
例えば、
✅ 床にビニールテープを貼る(歩き出しの目印)
✅ 格子模様のジョイントマットを敷く(視覚的な刺激を与える)

✅ リズム音楽やカウントを活用する(リズムに合わせて歩く)
こうした工夫をすることで、動きやすくなることがあります。
2. トイレの移動を安全にする工夫
HY分類Ⅳになると、トイレへの移動が大きな課題になります。特に、
• 夜間のトイレ移動(暗闇で転倒しやすい)
• OFF状態での移動(薬が効いていない時間帯は動きが悪くなる)
このような場面では、ポータブルトイレの導入を検討するのも選択肢です。また、トイレまでの動線上に手すりを設置したり、人感センサー付きのライトを使うことで、転倒のリスクを減らせます。
3. 家の中の安全対策
これまで手すり代わりにしていた家具が、思わぬ転倒の原因になることもあります。例えば、不安定な家具に手をついたときに倒れてしまうことがあります。
安全な環境を作るために、以下の対策を考えてみましょう。
✅ しっかり固定された家具を手すり代わりに使う
✅ 滑りやすいカーペットは撤去する
✅ 段差をなくす(スロープや手すりを活用)
入浴時の転倒防止には、シャワーチェアやバスボードを取り入れるのも有効です。導入する際は、実際の入浴動作を確認しながら練習することが大切です。
4. 介助者の負担を軽減する工夫
HY分類Ⅳでは、介助が必要な場面が増えるため、家族の負担も大きくなります。 無理をしすぎないように、適切なサポートを受けることが大切です。
✅ 理学療法士に介助方法を相談する(安全な介助のコツを学ぶ)
✅ デイサービスやデイケアを利用する(患者さんの活動量を増やす&家族の負担を減らす)
✅ レスパイトケア(短期入院)を活用する(介護者が休める時間を作る)
「家族だけで頑張らないこと」が、長く在宅生活を続けるためのポイントになります。
おわりに
パーキンソン病は進行性の病気ですが、生活環境を整え、適切なサポートを受けることで、自宅での生活を続けることは可能です。
**ポイントは、「少しでも困ったら、すぐに相談すること」**です。
✅ 病院の主治医や理学療法士に相談する
✅ 介護保険を活用して、デイサービスや訪問リハビリを取り入れる
✅ 家族の負担が大きくなりすぎないように、適度に休む工夫をする
「このまま自宅で生活を続けられるのか…」と不安を感じることもあるかもしれません。そんなときは、一人で抱え込まずに、専門家と一緒に解決策を考えていきましょう!
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